withコロナ時代、小さな会社が生き残るための事業変革

つぶれて欲しくないお店、がんばる中小企業の皆さんに、コンサルとして培った「ビジネスモデル変革」の考え方をお伝えします

電子書籍出ました。

このブログでご紹介している内容を、体系的に整理した本です。


ハコが強みの会社の変革

会社の強みは、

 ・チエ (知識や、技術等)
 ・モノ (商品を作るための設備)
 ・ハコ (建物、土地、立地を含む)
 ・アシ (仕入れルート、お届け方法)
にわけられるという整理をしました。


今回は、ハコを武器にしている会社の変革について整理してみたいと思います。


ハコを武器にしている会社とは、
 ・場所あっての商売をしている (ホテル、レストラン)
 ・工場などの施設をもっている (製造業)
等があろうかと思います。


いずれにせよ、こうした施設が稼働していない限りは、売上につながりません。
固定費がかかるだけです。


そのため、いかに稼働率を上げるか、がこのタイプの会社の変革において大事になります。
このブログは、ビジネスモデルを変えることで、ピンチを乗り切ることがテーマですので
今のビジネスのまま稼働率をあげるための手法については、他の本やブログに譲ります。
(例えば、ホテルや旅館の稼働を上げるには、やレストランの回転率を上げる、等)


ハコがあって、今使われていない、ということは、
そのスペース自体がある意味、「売ることのできる商材」となります。


このスペースをどう売るか、がポイントになるでしょう。
時代の流れとして、人は「所有」から「利用」に移っています。
(コロナ禍で改めて、「所有」も見直されているといわれていますが、
ほとんど使わないものを自分で持たなければならない理由はあまりみあたりません)


すると、スペースを必要とする人に用途を変えて貸し出す、ということがありえそうです。
現在、リモートワークが多くの会社で実施され続けています。
でも、もともと、とくに都会の住宅に、「仕事をする場所」は求められてきませんでした。
私も、自宅で仕事をする場合は、寝室で、背の高いアイロン台を出して仕事をしています。
テレビ会議や電話会議には、どうしても、子供の声が入ってしまう、等当たり前。
また、無線の電話もたまに悪くなったり・・・


近くに、安心安全ネットもつながる作業スペースを安く時間借りできるのであれば
利用としたいと思う人は多いのではないかと思います。
とくに大事な商談や会議をオンラインでやらなければいけないとき、集中したいとき。


一時期、ビジネスホテルは、狭い・食事もない、大浴場もなくても
インバウンドの影響で、一泊一万円以上というのもざらでしたが、
最近は、落ち着いているようです。
時間2000円程度で、何回転かさせたほうが実は良いのではないか。


また、駐車場等の空きがあるなら、そこを貸し出すことも考えられるでしょう。
施設自体も、借りたい人はいるでしょう。
同業者が一時的に借りたい場合や、本格的な設備でDIYをしてみたい個人等も
対象になるかもしれません。


今の時代、このような場所を貸すためのツールがそろっています。
「借りたい人」と「貸したい人」をつなぐプラットフォームが
いろいろとでてきています。


駐車場も、会議室も、もちろん設備も、調べていただければ、
そのようなプラットフォームがでてきます。


部屋を貸したい/借りたいというニーズに着目したAirbnbがこの分野の先駆けでしょう。


今人々は、何をしたい場所を求めているのか。
 ・仕事をする場所なのか
 ・モノを置く場所なのか
 ・防音で楽器を練習したいのか
 ・大事な電話会議を短期間したいのか


このあたりを考えてみると、何かヒントがみつかるかもしれません。


関連記事
強みを考える: チエ・モノ・ハコ・アシ - withコロナ時代、小さな会社が生き残るための事業変革
チエが強みの会社の変革 - withコロナ時代、小さな会社が生き残るための事業変革



こちらもお願いいたします。

チエが強みの会社の変革

以前の投稿
強みを考える: チエ・モノ・ハコ・アシ - withコロナ時代、小さな会社が生き残るための事業変革
にて、会社の強みは、チエ・モノ・ハコ・アシのいずれか、という話をしました。


本日は、チエが武器の会社・お店の変革について考えてみたいと思います。


チエは、人が持っている技術や知識等。
例えば、整体院の一番の武器は、当然、技術です。
塾や予備校の先生の武器は、教え方、になるでしょう。
私たちコンサルタントも、やはり、チエを商売にしています。
おいしいレストランの武器の一つには、当然レシピというチエがあります。


コロナにおいて、お客様が来てくださらない/来ることができない、のであれば、
こちらから出向くしかない。


その際、チエが武器の場合には、インターネットとの相性が非常に良いです。


チエをインターネットを通じて提供できるからです。


YouTubeで動画を配信する → 不特定多数に無料で
Zoom等を使ったオンラインコースを提供する → 特定の人に有料で


といったことが考えられます。


乗せるコンテンツも、いろいろと工夫ができるはずです。


①今のお客様と同じ悩みを持っている人をターゲットにする
②同業者をターゲットにする


例えば、塾の先生であれば、
①のパターン:
 学生に自分の専門を教える
②のパターン
 教え方に悩む教師や、他の教える職業(コンサルや士業等)にプレゼンのコツを伝授 
といったコンテンツがありえるでしょう。


さらに、
 ・とりためた動画を編集して販売する
 ・ほかの人とコラボレーションして動画を見放題にする(サブスク)
のようなこともできるかもしれません。


実は、②のパターンは、いつもお世話になっている
整体の先生とのお話で教えてもらいました。


このように、専門知識や技術そのもの、も武器になりますし、
その専門知識の「教え方」が武器になることもありえます。
武器にしているチエを少しずらしてみると、あらたな気づきがあるかもしれません。



こちらもお願いします

ちょっとした変革: 大企業の当り前を知る

先日、会社の同僚のご実家が営まれている海産物販売のお店を紹介してもらいました。


エビや貝がとてもおいしく、しかも安いとのことで、楽しみにしていました。
でも、その会社のホームページを見てみて、びっくり。


20年前にはやった作り方のホームページなのです。
ある一定の年齢の方には、お分かりいただけると思いますが、
左側にメニューがあって、真ん中に、「あなたは〇人目のお客様です」カウンターがある
というような作りです。


ホームページがあることは良いのですが、商売に活かされていないことが残念です。


まず、商品の画像がありません。
あるのは、
 イセエビ 時価
 ホタテ 〇〇円
のような情報のみです。


当然、ホームページで注文が完結できるわけがなく、
電話もしくはFaxで注文をする仕組みです。


おそらく、このお店は、地元で愛されファンも多いのでしょう。
したがって、インターネットを使って売らなくても成り立ってきたのだと思います。


でも、ホームページを作るのであれば、売上向上にぜひつなげていただきたいと思います。
でなければ、無駄な経費です。
このお店が売上を上げていただくことで、地方も潤うことにつながります。


どうすればいいか。
そんなに難しいことをする必要はないと思います。
インターネット販売をしている大手企業のホームページがどんな工夫をしているのか、
少し調べてみればよいのです。


少なくとも、
 ・商品は画像とともに、こだわりが説明され、
 ・お店を経営している人の紹介があったり 
 ・その場でカートに入れて、カード決済できる
はずです。


人は手間が一つ増えるだけで、購入を諦めてしまいます。
せっかく興味をもってくださったのなら、少なくとも、
その場で買っていただける仕組みをつくることはすべきでしょう。
それだけでも、売上につながります。


ちょっとだけ、別の会社、はやりの会社、大手の会社が何をしているか、
覗いてみたら、いろんなヒントがあるはずです。


このように、大手企業がやっていることを中小企業に「輸入」してくると
良いことは多くあるように思います。
もちろん、「輸入」に際しては、「カスタマイズ」が必要です。


このブログでは、大手企業の当り前、についても、紹介していこうと思います。
ホームページという表に見えることであっても、まだまだ改善ポイントがありますので
目に見えない「考え方」はなおさらだと思うからです。



こちらもお願いいたします。

強みを考える: チエ・モノ・ハコ・アシ

ヒト・モノ・カネ、という言葉をよく聞きます。
最近では、情報という意味で、チエを加えることも多く、ヒト・モノ・カネ・チエ。
これは、会社の経営にとって必要な資源として出てくる用語です。


でも、会社において変えるべきところと、変えてはならないところ、
を考えるにあたっては、決して使い勝手の良いものではありません。



そこで編み出したのが、冒頭の「チエ・モノ・ハコ・アシ」です。
ヒトは、単純な作業者という意味ではなく、
チエを持った存在とし、「チエ」として扱うことにします。


チエとは、ノウハウや技術。
モノとは、商品を作るための設備。
ハコとは、場所。
アシとは、物流(仕入れルート、お客様への配送方法)。



どのような事業を営んでいるかによって、武器となる資源は変化します。


例えば、マッサージ店であれば、
 チエ: 熟練の技
 ハコ: お客様が来やすい場所にあること
が武器になるでしょう。


また、新鮮なネタが自慢のレストランであれば、
 チエ: レシピ
 ハコ: お客様が来やすい場所にあること
 アシ: 新鮮なネタを安く仕入れることのできるネットワークを持っていること
が武器になるでしょう。


町工場であれば、
 チエ: 熟練の加工技術
 モノ: 熟練者を支えるモノづくりの設備
が武器となるでしょう。


このように、あなたの会社にとって、武器となる資源は何か、を明らかにすることは
何を武器に、新しいことに挑戦していくか、が決まる、という意味で非常に重要です。



こちらもお願いします