withコロナ時代、小さな会社が生き残るための事業変革

つぶれて欲しくないお店、がんばる中小企業の皆さんに、コンサルとして培った「ビジネスモデル変革」の考え方をお伝えします

小さな会社にコンサルは必要か?

と、本業がコンサルタントの私が書くには、リスキーな問いかけをしてみたいと思います。


でも、あえて言いたいと思います。
答えは、「否」です。


大企業がコンサルを雇う理由は、ある意味「時間を買う」ためです。
大企業がコンサルを雇うタイミングは、基本的には、
日常的に発生しない業務であり、かつ、影響(売上もコストも)が大きい仕事が
発生するときです(たとえば、戦略策定や、業務変革、システム導入)。
コンサルの出した「答え」をお客様に咀嚼いただき、判断いただく。
コンサルがやることは、このお客様の「判断」を助けるための活動です。
つまり、
 ・課題/打ち手の全体像を示す
 ・優先度をつけるための評価基準を作って
 ・おすすめ案を提示する
 ・その案の具体的な進め方を検討する
ことが基本的にやることです。
これは、戦略案件であろうが、システム系の案件であろうが変わりはありません。


大企業においては、課題の全体像が大きい。
そして、動くお金のけたも違います。
失敗するわけにはいかない。
そこで、事前の準備をしっかりとするわけです。
私たちがそこをご支援し、少しでも良い方向に向かうための判断材料をご提供する。
そして、実際に軌道に乗るまで並走していきます。


一方、このブログを見てくださっている「小さな会社」は、
社長の目が会社の隅々にまで届くはずです。
つまり、人手をかけて、あらためて、あなたの会社の現状調査をしてもらわなくとも
あなたの頭の中(それから、あなたの右腕の頭も合わせてもよいでしょう)に
「情報」はすべて入っているはずです。
大事なお客様の顔も好みもわかっているはず。


あとは、
 ①あなたの頭の中の情報を適切に整理していく。
 ②そして、冷静に状況を見つめる。
 ③そのうえで判断する
ための武器を持っていただく。


私が皆さんに提供できることは、
 ①考えるための枠組みを提供すること
 ②最新の情報をわかりやすく提供すること
の2つだと思っています。


①は、考えるヒントとして。
経営学の考え方は、使えるものも多いですが、
戦略やマーケ、会計の専門家がそれぞれの観点で書いているので、
全体像をとらえづらい(し、それぞれの専門家向けなのでわかりづらい)。
そこで、小さな会社がビジネスモデルを変えて生き残る、ことに注力した
使える「考え方」を整理していきたいと思っています。



②については少し説明が必要かもしれません。
大企業の方々には、日々、業界トップ企業が営業にきています。
そのため、常に最新の情報がアップデートされます。
(真面目に聞いていれば、ですが・・・)


一方、小さな会社は、自分で情報をとりにいかなければならない。
でも、専門的な解説ばかりで、実践しにくい。
そこで、最新事例もとりいれつつ、①とあわせて、考えるヒントを提供したいと思います。



コンサルが何を言おうと、お客様が動かなければ何も変わりません。
大企業において、死蔵されている数百ページにもわたる報告書がどれだけあるか。
(もちろん、活かされるものも多くあります)


小さな会社は、あなたが判断すれば、変わることができます。
いろんな人のハンコは不要です。
自分で考えて、自分で変える。
コンサルに大量のお金を使うなら、アイディアを試すほうに使ったほうが良いでしょう。
そのほうが多くの気づきがあるはずです。



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バリューチェーンを応用してアイディアを考える

バリューチェーン、日本語にしても、価値連鎖と、わかりづらいですので、
そのまま使いたいと思います。


バリューチェーン、もともとは、ある会社の一連の業務の流れを
お客様に商品やサービスが届くまで、整理したものです。
例えば、
 製造業であれば、
  研究開発→営業→部品調達→加工→配送→アフターサービス
 レストランであれば
  レシピ開発→材料調達→加工→提供
のように。


この考え方は業務の流れを変えるためには使えるのですが、
私たちの考えたいことは、ビジネスモデルを変えることにあります。
そのため、このバリューチェーンを拡大解釈してしまおう、というのが
本日の趣旨です。


一つの会社でバリューチェーンを考えるのではなくて、
ある商品なり、サービスが生み出されて、使われて、処分されるまでの流れを
整理してみましょう。


今、あなたは、この記事をスマホでご覧になっているでしょうか。
スマホは、


 企画設計 → 部品加工 → 完成品の組み立て → 完成品の販売
  → アプリの開発 → アプリの販売 → 利用 → 廃棄/リサイクル


という流れをたどります。
それぞれに、プレイヤが存在します。


例えば、
 企画設計: アップル
 部品加工: 部品メーカー
 組立: 鴻海(ホンハイ)などの加工業者
 アプリの開発: アプリ開発者
 アプリの販売: アップル or 代理店
 利用: あなた
 廃棄/リサイクル:アップル or 代理店
という具合です。


ここで、自分たちの商品やサービスは、拡大版バリューチェーンのどこに
位置しているのか、ということを把握しているでしょうか?


上流や下流にでていくことはできないでしょうか?


例えば、野菜の生産をされている方であれば、


 野菜の生産 → 野菜の加工 → 加工食品の提供(レストラン等)


というようなフローの中の最上流にいます。
生産は1次産業、加工は2次産業、レストランはサービス業なので3次産業、
足して、6次産業などということが、少し前に言われていました。


6次産業を目指すことを推奨したいわけではないのですが、
このように付加価値をつけていくことも視野にいれてみると、
ビジネスモデルを変えるヒントになるのではないでしょうか。


ちなみに、野菜の生産であれば、単純に加工食品という下流だけではないと思います。
例えば、作っている野菜について、学術研究の成果も活用することも
考えてみてはいかがでしょうか。何かの病気にきく、といった研究があれば、
その先生とコラボして、


 野菜の生産 → 当該野菜の有効成分の抽出 → サプリの開発 → 販売
                      → 化粧品の開発 → 販売


などのような流れにしてもよいと思うのです。


このときに、気を付けていただきたいのは、
例えば6次産業化を目指すと、これまでのお客様と競争相手になる、ということです。
(もちろん、レストランは無数にあるので、この場合、
あまり気にすることはないのですが)


例えば、これまで、クルマを作っていた会社が、クルマの運行(例えばタクシー業)
まで初めてしまうと、これまでクルマを買ってくださっていたお客様と競争相手になります。
これをやっても良いのは、先の例のように、パイが十分に大きい場合か、
今のお客様に買ってもらえなくなっても十分に儲ける自身がる場合、のどちらか、です。


ということで、
あなたの商品・サービスの上流や下流は何でしょうか?
そちらかに進む余地はありますか?
新しい下流を作り出すことは考えられないでしょうか?




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「信長の原理」に見るアイディアの組み合わせ

「信長の原理」という小説をご存じでしょうか。
織田信長を題材にした小説で、司馬遼太郎さんの「国盗り物語」以来の
面白さだな、と思いました。


信長自身、織田家家臣団が何を思ったのか、その思考を
丁寧に追っていくのも、非常に面白いのですが、
何より、「パレートの法則」(2:8の法則、または、2:6:2の法則)を
歴史小説と組み合わせて、最後まで、信長がこの問題に悩んでいる、という
設定が面白いのです。


本文中には、決してパレートの法則という言葉もでてきません。
信長が小さなころに、誰にも相手にされず、蟻をじっと観察していた。
すると、2割が働き者、6割が日和見、2割が働かない、ということを見抜く。
大人になって、部下に実験までさせる。
しかも2割の働き者だけを集めた集団を作っても、その中に同じく2:6:2が出現。
日和見だけ、働かない者だけを集めても、同じ現象が生じる。


組織づくりをするにあたって、どんなにがんばっても、すべてを
働き者にすることはできない。必ず、下の2割の者が出現する。
このことに信長は苦悩し、その理由を探し求める、と、そんなお話なのですが、
あまり書くと、ネタばれになりますので、やめておきます。


ここまでが前段です。
パレートの法則とは、うえのとおりなのですが、
もともとは、富の8割は2割の人が生み出していることを記述した経験則です。
それが、いろいろな分野にも適用でき(そうだ)るというものです。


このような社会科学の法則と、歴史小説を組み合わせる、
という発想が面白いなと思ったのです。
一件無関係に見える二つを組み合わせてしまう。


アイディアの出し方として、2つのものを組み合わせる、というのは非常に強力です。


私たちコンサルは、これをある意味で強制的に行う技術を使うことがあります。
他業界の成功事例を整理して、別の業界に持ち込むにはどうすればよいか。
これも、2つの組み合わせです。
別の業界と、別の業界という組み合わせ。
しかも、その組み合わせは、遠いほど、面白くなります(が、難しい)。


例えば、サブスクリプションや、プラットフォーム戦略、
あるいは、シェアの考え方を最初から否定するのではなく、
どうすれば、自分の業界に取り込めるか、考えてみる。


私たちは、それぞれの専門領域があります。
(組み合わせのうちの1つ)
ここに何を組み合わせると面白くなるのでしょうか。
おそらく、もう一つの世界(趣味や副業、社会貢献など)を組み合わせることが
良いのかもしれないと思っています。
それぞれの世界のおかしな点を別の世界の方法を
輸入してくることで解決できるかもしれません。





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アイディアの磨き方

このブログでも、電子書籍でも、今のビジネスモデルを変えて
新たな飛躍を目指すことがテーマです。
変革に向けたアイディアの出し方や、ヒントを探っています。


一方で、出たアイディアをどう磨いていくか。


これも、本業での気づきをシェアしてみたいと思います。


最近、大企業のお客様で、新規事業案を出して満足していただけることはまずありません。
実際に新規事業が立ち上がる確証を求められます。


このとき、コンサルに求められることは、
実際にお客様となってくれたり、事業パートナーとなる可能性のある別の会社を
紹介してほしい、ということ。


ある意味で、コンサル会社がハブとなって、いろいろなお客様をつなぐわけです。


そして、一方のお客様のアイディアを聞いていただく。
日本企業の方々はたいてい礼儀ただしいので、ダメでもダメとは言ってくださらないです。
でも、逆に良ければ、反応が違いますので、それとわかります。


こうして、アイディアをいろいろな方々に聞いていただく。
反応がよさそうなところは、どういう方で、そうでないのはどういう方なのか。
反応がよさそうな方にさらに刺さるにはどうすればよいのか。


これを繰り返していくと、当初のアイディアからかけはなれることもあります。
(ピボットする、といったりします)
そして、より磨きあがったアイディアに育ちます。


自分たちだけで考えていては一人よがりです。
ある程度形ができたら(紙の資料でもよいし、簡単につくったモデルでもよい)、
お客様候補となる可能性のある方に見ていただく。
そして、お客様候補の反応を謙虚に受け止める。
新規事業やビジネスモデル変革は、一発勝負のアイディアではなく、
いろいろと小出しに試して、その中でいいものを育てる、というやり方が
やはり良いようです。


さて、これ。コンサルがいないとできないか、といえば決してそんなことはないはずです。
あなたのお客様にじかに聞いてもいいでしょうし、
今とは違うお客様をターゲットにしたいなら、誰かに紹介を頼んでもいいでしょう。
ダメ元で頼んでみて、紹介いただけたら感謝を忘れない。
施されたら、なんとやら、ですね。


アイディアを盗まれたら、と考えているようでは前に進みません。
そのアイディアを実行できるのは、自分たちだけである、という自信があれば、
なおのこと、どんどん話してみて、磨き上げていくと良いと思います。



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ビジネスモデルの変革の仕方を体系立てて整理しています。

すごいなと思う会社

ワールド・ファミリーという会社をご存じでしょうか。
ディズニー英語システムを販売している会社です。
非上場なので、売上高等の数値は不明ですが、2018年度幼児向け英会話セット教材市場
でシェアNo1とのことです。
資本金は約5億円です。


この会社のすごいところは、顧客資産を徹底活用しているところでしょう。


英語システムは、かなりの高額商品。
そして、親がしっかりとサポートしてあげてはじめて子供が実力をつけていける。
(一緒に遊ぶ、一緒に聞く、一緒に電話する、等)
頑張った子には、ご褒美のシールやキャップがもらえます。
それ欲しさに、子供たちはがんばりますし、
そもそもディズニー好きな子たちには効果てきめんです。
一年も続けていると、ある程度の会話が自然にできるようになっています。


ということで、この会社が保有するお客様リストは、ぴかぴかなはずです。
まず、
 ①英語教材に投資できる余力がある家庭がわかる
 ②うち、しっかりと子供をサポートできているうちがわかる
 ③子供の英語レベルも把握できる
 ④子供の年齢や卒業時期もわかる


②を活用して、運営側の人を募集してしまうこともやっています。
こういう方が営業すると、「効果」を実感していますし、どうすれば
子供がやってくれるかを把握しているので、当然売れると思います。
④を活用して、英語システムを卒業した大学生が子供たちの電話相手になっています。
①②あわせて、追加教材やイベントもうまく勧めてきます(しかも、嫌みなく)。


もちろん、教材もよいですし、先生たちもしっかりと教育された方々です。


ということで、
 ・お客様自身に営業してもらう工夫はできないか
 ・お客様自身を「商品(といっては失礼ですが)」にできないか
 ・お客様の今の状況を知り、さらにお役に立つサービスを案内できないか
といったことから、ビジネスモデルを発想してみても良いかもしれません。


こうして英語システムの宣伝をしてしまっているのも、
やはり、手の内なのかもしれません。


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