withコロナ時代、小さな会社が生き残るための事業変革

つぶれて欲しくないお店、がんばる中小企業の皆さんに、コンサルとして培った「ビジネスモデル変革」の考え方をお伝えします

10年後、どうなっているでしょうか?

そんなことは誰にもわかりません。
でも、10年後、どうなっていたいか、なら、妄想することができます。
そして、その10年後に向けて、今何をすべきか、を考えることができます。


「バックキャスト」思考なんていう言葉があります。
未来から逆算する、という考え方。
対して、「フォアキャスト」思考というものが、今を起点にして未来を考える。
実は、バックキャストするための未来は、フォアキャストで作るので
矛盾しているのですが・・・
そこは置いておいて、使えるものは、使いましょう。


ということで、10年後の未来の妄想の仕方と、そこから
事業変革につなげることを考えてみたいと思います。



10年後の前に、まずは現在地点を抑えるための枠組みを用意しましょう。


 お客様: 今のお客様はどのような人/会社でしょうか 
 ニーズ: そのお客様は何に困っているのでしょうか 


という基本的な2つをまずは整理してみましょう。


お客様とそのニーズがなくなってしまったり、
ニーズが別のものになってしまえば、今のあなたの会社の商品やサービスは
売れなくなってしまいます。
そこで、10年後、20年後の未来を妄想して、そこに備えておくことが必要です。


10年後を形作る根拠として、メガトレンドというものがあります。
ある一時のブームではなく、長期にわたって続くと考えられる変化、を
メガトレンドと呼びます。


本来は、自社の事業において、PESTというフレームワークで
メガトレンドを網羅していき、優先度をつけて未来シナリオを作る、というのが
一般的な進め方です。
 Polotics: 政治的な変化
 Economics: 経済的な変化
 Society: 社会の変化
 Technology: 技術の変化


でも、私たちの目的は未来を予測することではなく、未来を妄想しておき、
ビジネスモデル変革のヒントを得ることにあります。
そのため、完璧なる(そして当たる可能性の低い)未来予測は、他に任せておきましょう。


社会の変化と技術の変化の二つを抑えれば十分です。
社会の変化として押さえておくべきは、
 ・人口動態の変化 
   ・確実に少子高齢化します
   ・働き手が年間100万人へっていきます
    →したがって、誰かが代わりに働くしかなくなります
      ・定年をさらに伸ばす
      ・事情があってフルタイムで働けない人も働けるように
      ・外国の方にきてもらう 
      ・ロボットやAIに置き換える
 ・世論の変化
   ・所有から利用を好むように
   ・おそらく防疫(コロナや災害)への意識は多少今よりは落ち着くものの
    元には戻らないでしょう
     ・結果、在宅ワークのある継続
      → 住みやすい環境を求めて、地方へ
      → 結果、東京一極集中の解消
   ・環境へのますますの配慮
   
技術の変化は、
 ・AIの発展: ますますいろいろなことができるように
 ・IoTの発展: 多くのデータが作られるとともに、いろいろなモノ同士連携するように
 ・ロボットの発展: AIにおける身体に
 ・自動運転の発展: クルマをはじめ、いろいろなものが自動運行されるように
 ・リモートワークの促進: 遠隔会議のみでなく、遠隔操作など、
                 より多くの職種でリモート可能に
 ・通信環境の発展: より早く、大容量に
等を押さえておくと良いでしょう。


上で挙げたすべてを考慮する必要はありません。
こうした変化がおきるとどうなるだろう、と考えるきっかけとして
いくつかを組み合わせてみるだけで十分です。


たとえば、自動車メーカー向けの部品を作っている会社があるとします



 お客様: 自動車メーカー (ガソリンなどの内燃機関のクルマ)
 ニーズ: 内燃機関向けの部品が欲しい


変化
 社会の変化: 
  ドライバーの高年齢化 → 危険運転防止策が求められる
  所有から利用→ 販売台数が減る
  環境への配慮→ 電気自動車への流れ
 技術の変化:
  AI・IoT・自動運転の発展 
   → クルマは一般の人にとって運転するものではなくなり、
     移動する間の時間を過ごす「場所」になる
  
自動車メーカー自身はどう考えているのか。
おそらく、最も、恐怖を感じているのは、トヨタ自動車なのではないかと思います。
そのため、
 ・自動車を売るだけではなくサブスク化したり、
 ・電気自動車をはじめとする次世代自動車の開発をすすめたり
 ・自動車が移動手段になることをみこして、スマートモビリティ、
  はてはスマートシティづくりまで
など、いろいろな取り組みをしようとしています。


ここで、先の会社はどうするのか。
いろいろな可能性が考えられますが、やはり、今のビジネスモデルで
い続けることはできないでしょう。


でも、お客様たる自動車メーカーも悩んでいることは上の例からも明らか。
ニーズはあるはずで、それを今の技術を応用して解決できないか。


ビジネスモデルを変えるための体系的な考え方については、
こちらに詳しく書いています。
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